岡村靖幸さんのラジオ文字起こしブログ

岡村靖幸さんの出演ラジオを文字起こししています。

岡村靖幸・小出祐介(Base Ball Bear) TS ONE selection『PREMIUM ONE』2016年3月21日

岡村 どうも岡村靖幸です。

小出 どうもBase Ball Bear 小出祐介です。

小出 2回目です。

岡村 はいっ。最近はどうなんですかあなた?最近のあなたは。

小出 最近の僕ですか。

岡村 はい。

小出 あの……引きこもりですね。

岡村 引きこもラー?

小出 (笑)なんでもラーつけますね(笑)なんでも束ねるじゃないですか(笑)

岡村 (笑)そうね(笑)

小出 まあもう……あのねえ、とりあえずその……家の、本を積むというか、あの、積読というか。だったりとか、DVDだったりとかを、僕「読み終わったり見終わったりしないと棚に戻しちゃいけない」っていうルールがあるんですよ。買ったものを。だからそれをまずやらないと、とりあえず家の床が大変なことになってきちゃったんで……積んでるやつが。

岡村 情報とか色んな音楽とか、映像とか映画とか、その色んなもののさ、その収集……情報吸収時間は半端ないでしょあなた。

小出 そうですね。結構それに時間割いてますよね。

岡村 ねえ。すごいよね。

小出 岡村さんは普段どういう感じなんですか?映画観たりとか本を読んだりとか、何きっかけで知ったりとかします?

岡村 え~……まあいいものはみんな騒いでるよね。小出くんがすごいいいって言ったもの、「ああ小出くん(いいって)言ってたんだ~」とか言って、何人かが言うと「もう我慢できない。」ってなって、映画館観に行ったりとか。その、澱のように情報がたまってって。で、俺もよくわかんないと小出くんに聞くじゃないですか。漫画とか。「これどうなんすかイケてんすか」「イケてますよ!」って言ってくれたりとか。確かな情報源なとこから聞いてチェックしたりすることもあります。

小出 結構岡村さんはその、まあ世間の情報も多分そうだと思いますけど、周りの人のレコメンドとかすごいこう、信頼なさってますよね。

岡村 そう、完全に信頼してる。小出くんとかも完全に信頼してる。

小出 (笑)ありがとうございます。じゃあそういうなんか「レコメンドしてくれる知り合い・レコメンドしてくれる友達」、結構多いんですか?やっぱ。

岡村 ん~、まあでも小出くんが飛び抜けてクオリティちゃんとしてるって感じ。

小出 ほんとですか。やったあ!

岡村 はあい。

小出 (笑)岡村さんの友達ラインナップの中でそれってことは結構俺イケてましたね。

岡村 いや半端ないですよそれは。

小出 めっちゃ嬉しいです。じゃあそんな番組にしていきましょう。

岡村 はいっ。

小出 じゃあ岡村さんまず今日の1曲目。

岡村 はいっ。岡村靖幸で『できるだけ純情でいたい』。


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小出 i-deoの高音質音楽レコメンデーションチャンネル『TS ONE』。この時間はBase Ball Bear 小出祐介と。

岡村 岡村靖幸がお届けしている『PREMIUM ONE』。岡村靖幸で『できるだけ純情でいたい』でした。

小出 はい。アルバムめっちゃいいですね。

岡村 ありがとうございます。

小出 ジャケもめっちゃいいし。

岡村 はい。小出くんとの曲も入ってるしね。

小出 ですね。めっちゃいいですね。

岡村 (笑)ありがとうございます。

小出 盤石の。

岡村 頑張ります。

2人 (笑)

小出 アルバムの制作の話とか聞いていいですか?

岡村 アルバムね。

小出 し倒しました?

岡村 し倒してないですけど。

小出 岡村さん、制作の話とかってあんましないですか?

岡村 あんまりしないですね。

小出 今回のアルバムの、じゃあ……

岡村 あ、でも『愛はおしゃれ(じゃない)』ってさ、楽しかったですけどね。

小出 楽しかったですか?よかったですよかったです。あの、歌録りがすごい僕、印象的で。なんか歌詞の最終チェックをして、で、確かね、「仮歌をちょっとやろうか」と。「歌詞のハマりチェックしたい」とかって言って。歌ったんですよ。2テイクくらい。で、歌って岡村さんにチェックしてもらって。「どうですか」「あ~いいですね」ってなって、で、そしたらちょうど時間が6時とか7時ぐらいになって、「じゃあご飯行きましょうか~」って言って、「あ~分かりました」って言ってご飯食べて、で、「こっからやんのかなー」と思ってて、帰ってきて、で、さっきの仮歌のやつ聞いて、「じゃあこれで~」ってなったんですよ。

2人 (笑)

小出 「えー!!!」と思って。

岡村 あ~、よかったんですかねえ。

小出 俺……だからご飯食ってから本気のやつだと思ってたんで、「あ、これで終わるんだ」と思って。僕も聞いて、「まあ、別に大丈夫ですけど……」とはなったんですけど。「マジか!」と思って。

岡村 (笑)

小出 「表題だもんな!」と思って。

岡村 あ、そうでしたっけ。

小出 でしたでした。あの~もう1個のその『ラブビデオ』の方はただ、『愛おしゃ』はちょっと前に作ってたからある程度2人とも曲もね、把握してたんで早かったですけど、『ラブビデオ』の方は歌詞はもう書き下ろしだったし、曲も書き下ろしだったから、結構練習が必要だったんですよ。

岡村 はいはい、そうですよね。

小出 だからね、歌録り結構やったんですよ。

岡村 やったかも。

小出 『愛おしゃ』は(笑)もうす~ぐ終わっちゃって。

岡村 あ~そうでしたっけ。

小出 そうなんですよ。

岡村 え~。

小出 ご飯から帰ってきたら岡村さんがちょっとちろっと歌って、ここだけちょっともう1回やろうかっつって歌って、それで終わっちゃったんですよ。(笑)

岡村 あ~そうでしたっけ。

小出 そうです。

岡村 え~。

小出 終わって2人で電車で帰りましたもん。

岡村 でしたっけ(笑)

小出 そうですよ(笑)

2人 (笑)

岡村 あ~そっかあ……

小出 っていうねえ、『愛おしゃ』の。

岡村 へ~。じゃあ結構サクッとやったんですねあれね。

小出 あの~録り自体は早かったですよね。その後ね、あの要はトラックの直しだったりとか最終チェックみたいなのは岡村さん結構やられてたかもしれないですけど。結構早かったですよ。

岡村 なるほどなるほど。

小出 はあい。(PREMIUM ONEの紹介)

小出 じゃあ早速今回も岡村さんの掛けたい曲。

岡村 はい。

小出 今日の気分の曲。

岡村 はい。なんかこの前テレビで流れてて「いいな」と思ったんですけども。

小出 すごいですね仕入れ先が。

2人 (笑)

岡村 なんかディスコ番組があるんですよ。ず~っとなんかディスコが流れる。それで流れて「イケてるな~」と思って。久々聴いて。聴いてみますか。

小出 はい。

岡村 フリオ・イグレシアスで『ビギン・ザ・ビギン』。


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小出 まあもうドクラシックというか。

岡村 そうですね。

小出 スーパー有名な曲ですけど。

岡村 久々聴いて「あ~良い曲だなあ」と思って。

小出 マツケンサンバ感が……

岡村 (笑)そうですね。

小出 マツケンサンバの元ネタこの辺りなんじゃないかっていう。

岡村 そうかもしれませんね。

小出 はい。

岡村 はい。小出くんの方はなんなんですか?

小出 はい。じゃあ僕の今日の1曲なんですけど。僕も多分そういう意味ではディスコなんですけど。ジョセリン・ブラウンの『Somebody Else's Guy』という曲なんですけど。

岡村 あ、全く知りません。

小出 あ、知らないですか?

岡村 はい。

小出 でもあの~たぶん、

岡村 聴けば「あ~」ってなる?

小出 聴けば、あの、声は絶対知ってると思うんですよね。えーと、「インナー・ライフ」*1って知ってます?

岡村 ん~、なんか聞いたことあるかも。

小出 に、助っ人ボーカルというか、ディスコもののディーバというか。

岡村 あー、いますねそういう人ね。

小出 っていう感じのめっちゃ大御所というか。超有名な人で、その人を、ソロ歌手としてめっちゃ有名にした1曲なんですけど。まず聞いていただきましょうか。ジョセリン・ブラウンで『Somebody Else's Guy』。


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小出 はい。え~聴いていただきました、ジョセリン・ブラウンでした。

岡村 はい。

小出 まあまずちょっと先に聞いてから話そうと思ってたんですけど。もうこのまず冒頭の、ピアノと歌だけのパート1分ぐらいなんですよ。

岡村 すごいですね。

小出 あれでめっちゃ面白くて(笑)

2人 (笑)

小出 まず。

岡村 そうですね、すごいですねあれね。

小出 すげえ歌い上げて、で、その後全体がバーッて入ってきた時の、なんかこう高揚感とか。それがまたこう、ディスコの定石というか。もうすっごい丁寧に振って、きっちり振って、気持ちいいの持ってくるみたいな。それがまあベタなんですけど、やっぱ聴きたくなる。っていう感じ。

岡村 うん、気持ちいいですよね。

小出 で、しかもその後コード進行とか、リフネタももうめっちゃど真ん中じゃないですか。

岡村 そうですね。

小出 この王道感が、盤石の。が、すごい好きな1曲って感じです。

岡村 気持ちいいですよね。

小出 気持ちいいです。

岡村 気持ちいいです気持ちいいです。

小出 なんか「こういうの聴きたい!」をちゃんとやってくれてる1曲っていう感じですかね。

岡村 すごい好き、僕も。

小出 これもうだから僕、家でよく聞いてます。

岡村 本当ですか。

小出 はい。

岡村 意外ですよね、俺「こういうのよく聴いてんだ~意外」と。

小出 あの、目覚めに聴きます。

岡村 へ~意外。

小出 しかもこの曲だったら、もうド頭のあのアカペラ部分で結構満足できる(笑)

岡村 (笑)そっかあ。じゃあ意外とブラックな感じなんですね、家で。ディスコとかね。

小出 結構多いですね。だからAOR・ブラコンラインも多いかもしれないですね。AORでも、やっぱちょっとブラックミュージック寄りの方が好きかもしれないですね。それも後々この番組でもご紹介したいと思いますけれども。(TS ONEの紹介)

小出 それじゃあここからお題の選曲。

岡村 はい。

小出 やっていきたいと思うんですけども、今回のお題は『旅立つ君に1曲』。

岡村 そうですね、これ難しかったですけどねえ……

小出 まああの~、『春の1曲』って感じですかね。

岡村 はい。難しかったですけどね~……

小出 じゃあ岡村さんから行きますか。

岡村 はい。僕から行きましょうか。この曲の詞が確か「君も旅立つことになったんだね」みたいな。自信なさげで、こう……頼りなさげだったのに、気がついたらすごい立派な大人になって……みたいな内容な……「僕も見守ってるよ」みたいな詞だったような気がします。

小出 気がします(笑)

岡村 はい。判然としませんけど(笑)

2人 (笑)

岡村 ちゃんとチェックすればよかったね。でもそんな詞だったような気がします。

小出 これからじゃあそれを確認しましょうか。

岡村 そうですね、間違ってたらやだけど。(笑)じゃあ10ccで『フレッシュ・エア・フォー・マイ・ママ』。


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小出 これあの、僕……10cc、曲も好きなんですけど。

岡村 はい。

小出 僕どっちかっていうとそのゴドレイ&クレーム*2が抜けて、その後映像制作チームになるじゃないですか。

岡村 なりますね。

小出 ポリス*3のミュージックビデオとか、たくさん撮ってるんです。

岡村 シンクロニシティライブ*4のやつめちゃめちゃいいよね。

小出 あれめっちゃいいんですよね~。

岡村 めっちゃいいよ~。

小出 「映像の人になる」っていうルートもなかなか珍しいんじゃないですか?

岡村 いや~もう聞いたことないですね。

小出 しかもこんなに10ccもめっちゃ名曲作ってて、それで抜けて映像制作だってもうすげえ面白い映像を撮るっていう。

岡村 すっごいたくさん作ってますからね。

小出 それも面白いですよね。

岡村 変わってますよね。

小出 ね~。変な人たち。でもポリスのシンクロニシティのライブは、あれは本当できるもんなら真似したいぐらいの。

岡村 かっこいいよね~あれね。

小出 かっこいいですよね。

岡村 めちゃめちゃかっこいい。ポリスももう全盛期だから。

小出 ですね。

岡村 もうイケイケだから。解散する寸前。だからもう最高に脂乗ってるし。

小出 演奏もいいし。

岡村 演奏もいいしあのスティング*5のかっこよくベース弾く姿もかっこいいし……

小出 映像もいいしねえ……

岡村 映像もいいし。

小出 あれはもう、こう永遠に持ってたい映像の1個ですね。

岡村 ほんとですね、僕も。

小出 はい。

岡村 はい。

小出 じゃあ僕の『旅立つ君に1曲』の選曲なんですけど、空気公団の『青い花』という曲でございまして。春の曲ってまあ色んな切り口あると思うんですけど。でも春の曲って難しいなと思ってるんですよ。

岡村 難しいね。

小出 え~、要は出会いと別れとかまあ卒業ソングもそうだし桜だったり、なんかこう求められる空気感とか、求められるメッセージみたいなのが、もう結構前置きとしてありすぎる気がしてて。だからもうその、お題に沿ってなんか作ってるような気がしちゃうというか。「春めいた曲を作る」っていうことは。っていうのが春ソングの難しさだな~と思ってるんですけど。で、この空気公団の『青い花』って、歌詞とかはすごいシンプルなんですよ。だし、言葉の隙間も多いし。で、音としてもそんなにこうガチャガチャ色んなこと言ってるわけじゃないんですけど。

岡村 シンプルな感じなんだ。

小出 シンプルです。だけど、コード感と、あと適度なテンポ感と、あとこの言葉の隙間の多い言葉でもって、もう十分それを満たしてるというか。春ソングに求められてるものをなんか十分満たしてる気がしてて。で、この「旅立つ君へ」とも取れるし、広い意味での出会いと別れとも取れるし、なんか桜が待ってるようにも感じるしっていう感じで、ちょっと聴いていただきたい曲です。はい、空気公団で『青い花』。


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小出 はい、空気公団で『青い花』でございました。

岡村 いい曲だったねえ……

小出 ね。

2人 (笑)

小出 めっちゃいい曲でしょ。

岡村 いい曲だったね。

小出 これね、2分半ぐらいしかないんですよ。

岡村 あ~。

小出 歌詞もあのAメロというかサビっぽいところ以外も全部繰り返しだし。

岡村 う~ん。

小出 でもなんか『君がいて良かった』っていうそのフレーズが最初バッて聞こえるだけでもうなんか「ああ……」ってなるじゃないですか。

岡村 うん、よかったです。すごいバランスで。良いバランスで。

小出 そうなんですよね。3分切るってちょっと難しいですよね。

岡村 難しいですね。

小出 それこそさっき聴いてたディスコとかとはもう真逆じゃないですか。

岡村 ね。

小出 ディスコってもう順序立てで気持ちよくなる音楽だから。とはもう全然違う、リフも全然ないし、っていう。これだからすごい日本ぽいんじゃないですか?

岡村 そうですね。

小出 この考え方って。

岡村 まあでも詞がやっぱね。これで詞が悪かったら台無しだから、大元に詞がいいって感じですよね。もちろん全部いいんですよ。声もいいし歌唱もいいしね。

小出 やっぱ詞って大事なんですよ。

岡村 はいっ。

小出 ね。

2人 (笑)

小出 はい、じゃあここからちょっとあの、岡村さんからですね、前回。初回の時に「俺コーナー案考えてきたんだけど」という。

岡村 そうですそうです。プレゼン……今日プレゼンをしたいと思います。

小出 そんないいんですか。じゃあコーナー企画案ってことですよ。

岡村 そう。俺がいくつか言うから、俺がほら「これやって」っつってもあなた乗らない時もあるじゃないですか。「嫌です」とか。

小出 あ~、まあ、場合ありますねえ。「熱々おでんやって」とか。「熱湯風呂やって」とかだったら確かに嫌ですけどね。

岡村 いくつかプレゼンするから「これいいんじゃないですか」って言ってください。

小出 はい、わかりました。

岡村 1つはね、『未体験ゾーン』っていうコーナーで。

小出 はい。『未体験ゾーン』。

岡村 はい。お互い週に1回行ったことないとこ・行ったことない駅に降りて、感想を毎週言う。

2人 (笑)

小出 あの……なんですかね。

岡村 まだあります。未体験ゾーンはたくさんあるんで。読んだことない漫画の感想を伝える、2週間に1回。

小出 わかりました。

岡村 食べたことないものの感想を言う。

小出 あ~結構ありますよそういうのは、食べたことないのは。もう偏食なんで。

岡村 ですよね。あと政治について調べる。

2人 (笑)

岡村 「こんなことがわかった政治!」とかやる。

小出 それめっちゃ面白いですね。

岡村 はい。歴史を調べる。「実は歴史ってこんなだ」って。

小出 それはね、僕最近ちょっとね、始めちゃったんです。

岡村 ほんとに?じゃあこれはちょっと置いときましょう。あとね、ブランドものの服買ってきて、お互いがお互いのテーマを決めて、帽子とかメガネとか、お互いの金額を決めて買う。

2人 (笑)

岡村 ブランドの服。

小出 なんだそれ(笑)

岡村 靴とかね、なんでもいいんだけど。

小出 なるほどね。

岡村 はい。あとね、『1行歌詞』っていうやつで、お互い1行ずつ、今週は僕が書く、来週は君が書く、今週は君が書く……って1行ずつ書いてって詞を完成させる。

小出 お~。で、それで岡村さんがちゃっかりリリースするってことですね?

岡村 うん、でもいいし。

小出 (笑)

岡村 また共作でもいいし、共演でも。『1行歌詞』っていうコーナー。もう1つは『ラップを教えて』。俺ラップのやり方分からないんで、小出くんにラップのやり方をちょっと……

小出 いやいやいや俺もわかんないですよそんな!(笑)

岡村 じゃあ2人で調べてってく、「ラップはこうらしい」とか。

小出 あ、2人で調べて……

岡村 うん、少しずつ分かっていく。

小出 ラッパーになる。

岡村 最終的にはね。

小出 それでフリースタイルダンジョンに出る。

岡村 最終的にはね。

小出 マジかよ(笑)

岡村 (笑)っていうプレゼンを今日持ってきました。

小出 あ~でも……

岡村 ピンとくるのあった?

小出 『未体験ゾーン』は、i-deo向きではないかなあとは思いましたけど、『1行歌詞』とか、今後ね?番組を長くやってく中で、1曲出来ました~とか、この番組のテーマができましたとかってなったら、美しいじゃないですか。

岡村 いいね。

小出 だからこれは全然なしじゃないですよね。

岡村 候補?

小出 進め方次第だと思いますよ。

岡村 候補に入れてください。

小出 ラップを……

岡村 教えて。

小出 教えて。ラップを教えて……は、まず自分たちがどう始めるかですよね。

岡村 少~しずつ勉強していくわけですよ。

小出 誰か呼ぶんですか?

岡村 たま~に、だから1か月に1回くらい講師を読んで、「ここが大事だ」ってこう、教えてもらって。

小出 じゃああの~、RHYMESTERMummy-Dさんとか呼んで。

岡村 そうそう。来てもらって。

小出 ガチの人呼んで。

岡村 ガチ月1で呼んで、「こうなんだ」ってのを習ってって、少しずつ2人でドラゴンボールのようにスキルを上げてって。

小出 (笑)

岡村 最後には賢者になれるとこまで行かなくてもいいから、「まあラップできる」ってとこまで。

小出 なんかでもゴールがスタート地点みたいな感じですよね。ラッパーとしての(笑)

岡村 そうですね(笑)あまりにもラップのこと分からないんで、僕。

小出 そうなんですか。ヒップホップ全然聴かなかったですか?

岡村 全然聴いてないです。詳しくないです。

小出 でも岡村さんのこれまでの作品とかって、その、ビート感としては、ヒップホップっぽいものって……

岡村 ほんとですか。

小出 あった気がするんですけど、それはじゃあ別に意識してないってことですか。

岡村 全くしてないです、全くしてないです。

小出 あ、そうですか。へ~、それも意外なところですね。

岡村 あとこの企画を持ってきたのは、意外と小出くんがラップとヒップホップ好きって、詳しい。だからそういったポテンシャルもあります。

小出 なるほど。じゃあ僕もラッパーになれる。

岡村 そうですそうです。

小出 岡村さんもラッパーになれる。

岡村 今日のプレゼンは、だからその辺りですね。

小出 なるほど。じゃあ……え~……

岡村 熟考して、来週決めてくれてもいいよ。今決めてくれなくても。

小出 わかりました。じゃあもう、熟考し続けて決まらずに終わるという……

岡村 (笑)

小出 パターンもありますけどね(笑)

岡村 それでもいいです、それでもいいです(笑)まあこの企画は、だからその、小出くんが「あーこれやりたい!」と思うことが肝なんで。だからプレゼンなんですよ。

小出 なるほどなるほど。じゃあマメにもうプレゼンしてくださいじゃあ。

岡村 はい、わかりました。じゃあ来週もプレゼンなんか資料持ってきます。

小出 いやあ、それは嬉しいですよ。

岡村 来週は来週でなんか。毎週プレゼンで終わったりしてね(笑)

小出 (笑)やらずにね。それもね、多分可能性ありますよ。あのもう明らかに、その
プレゼンという大喜利になっていく可能性。

岡村 そうしましょうか。来週は来週でプレゼン考えます。

小出 お願いします。じゃあプレゼンターとしての。

岡村 はい、頑張ります。

小出 (笑)岡村さんよろしくお願いします。じゃあ続いてはお題ですね。『イントロが素晴らしい曲』で。

岡村 はい。

小出 まず僕の1曲。オアシスのですね、『スーパーソニック』という曲です。これも今日なんか散々段取りの話出てきましたけど、これもめっちゃ段取りの曲なんですよ。で、一番最初に、もうお手本みたいな、教則本みたいな8ビート。ドーン、タン、ドンドンタン、で始まって、で、ギターのアルペジオのリフが乗って、歌インみたいな。すごく順序立てで始まるんですけど、僕やっぱこの順序立てイントロ好きなんでしょうね。

岡村 うん、なんかそんな感じした。

小出 ですね。これは全然ディスコではないんで、もうロックンロールですけど。で、この最初のドラムの音色と。歪んだギターのアルペジオなんですけど、これがなんか自分的にすっごい好きな音色なんですよ。

岡村 ふんふんふん。

小出 だからあの、例えばスピーカーだったりとか。スタジオのスピーカー、レコーディングスタジオのスピーカーだったりとか、「新しいイヤホンとかヘッドフォン買いに行きました」みたいな時に、必ずリファレンスとして、参照音源として必ず聴くやつなんですよ。だからもうこの最初のドラムの鳴り、あとギターの歪みの感じで、そのスピーカーがどんな感じかっていうのを、僕はだいたい分かります。

岡村 なるほど。モニターリングしてんですね。

小出 っていう感じの1曲です。聞いてください。オアシスで「スーパーソニック」。


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小出 もうなんか音いいですよねえ。

岡村 いいっすねえ。スネアの音からキックの音からね。ギターの音からね。

小出 そうですそうです。ただなんかあの、オアシスってまあその、UKロックの
ブームと言いますか、ど真ん中に来たバンドなんですけど。

岡村 そうですね。ブラーとかオアシス、あの何だっけ、ブリットポップだっけ。なんか大流行しましたよね。

小出 そうですそうです。ブラーも僕すごい好きなんですけど、なんかオアシスの方が、なんですかね。このサウンドの立体感というか。なんかそれが、今聴いても、すごいずば抜けて立体的なんですよ。

岡村 へー。

小出 ミックスすごいいいんですよね。

岡村 へ~。

小出 ブラーって、割と音が細めではないんですけど、ちょっとこうわざとスカスカ目に作ってるんです。隙間が多いんですよ。オアシスはその分埋まってる印象の曲の方が多いんですけど。

岡村 音圧的なこと?それともアレンジ的な、構造みたいなこと?

小出 アレンジ的にもすごい埋まってるんですけど、ただミックスがすごい、ごちゃっとしてるようで整理されてるというか。で、この歪み方とかギターの歪み方とかだけ聴くとシューゲイザー以降の感じもするじゃないですか。なのに全部がちゃんと機能的に回ってて。だからそれがやっぱオアシスのすごかったところというか、発明だったじゃないかなと思って。多分あの~、ね、ほら、マイブラとか多分みんな聴いてて、流れでオアシスとか聴いてるんだと思うんですけど、マイブラのあのギターの歪みのカオスとオアシスの持ってる歪みのカオスってまた全然……

岡村 違うね。

小出 違って。オアシスの歪みはもっとストリングスっぽく聞こえるんですよね。その倍音でストリングがバーッて広がってるのに聴こえるという。ファーストはストリングス特に入れてないんで。なのにストリングスが鳴ってる気がするっていう、ギターのアレンジになってて。セカンド以降は本当にストリングス入ってっちゃうんですけど。僕は特にファーストがすごい好きですね。

岡村 へ~。聴き直してみよう。

小出 ぜひ。はい、じゃあ岡村さんの『イントロが素晴らしい1曲』。

岡村 そうですね~、僕悩みましたけどねえ。あの~、何だっけ、ナック*6の『マイ・シャローナ』にしようかなと思ったんですけど、みんな知りすぎてると思ったんでこの曲にしました。

小出 はい。

岡村 これすごいシンプルな曲です。シンプルなイントロですね。で、イントロで複雑なことやってるわけじゃなくて、本当にリフ一発。ニューウェーブテクノ。でもロックな感じなんですけど。僕は大好きな……

小出 大好きなイントロ。

岡村 イントロですね。すごい大好き。

小出 まず聴いてみましょうか。

岡村 DEVOで「Girl U Want」。


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小出 あ~なるほど。ニューウェーブ期のバンドの曲とかも結構岡村さん聴かれるんですか?

岡村 ニューウェーブ好きでしたね、僕、ニューウェーブは結構。

小出 でも岡村さんのもう、時期としては重なってきますよね、80年代。

岡村 そうですね、パンキッシュなものあんまり聞いてないですね。

小出 パンキッシュっていうとどの辺になりますかね。

岡村 ん~……ワイヤー*7とか。

小出 ワイヤー、あーそっかそっか、あの辺もそうか……

岡村 あの辺り詳しくないですね。

小出 ポリスとかも、最初はパンクって紹介されたらしいですよ、日本だと。全然バンクじゃないのにね。

岡村 ポリス、でもポリスすっごい好きでしたね。

小出 俺もポリスがすっごい好きでした。

岡村 曲いい、演奏いい、ね。

小出 ずっといいですからね、しかも。

岡村 そう、ずっといい。

小出 で、うまくなり続けるっていう。

岡村 そうだよね。

小出 あの~、ニューウェーブ期のバンドって、あの時代にもうやめちゃう人も結構いるじゃないですか、たくさん。

岡村 いますね。

小出 すっげえ面白いバンドたくさんいたのに、その後も続けていくバンドって意外と多くなくて。だからキリング・ジョーク*8もそこまで長くなかったし、ギャング・オブ・フォー*9とか、まあ再結成はしましたけど、とか。XTC*10もライブやってた時期はそんなに長くないし。

岡村 そうですね。

小出 途中でやめちゃって。職人になったんですよね。

岡村 嫌だったんですよね。アンディ・パートリッジ*11がね。

小出 ステージ降りちゃうっていう。だから僕、世代的にニューウェーブのバンドの映像とかってあんまり見れてないんですよ。

岡村 あんまないのかもよ。

小出 そもそもね。

岡村 そもそも。

小出 はい。岡村靖幸さんと僕Base Ball Bear小出祐介でお送りしてきた「PREMIUM ONE」、あっという間の時間となってしまいました。2回目でしたけど。

岡村 はい。

小出 ね、岡村さんのまさかのプレゼン企画。

岡村 そう!

小出 嬉しいですよ。

岡村 そうですか。

小出 今後も、プレゼン大喜利……

岡村 (笑)プレゼンだけで終わるんじゃないの。いつかは成就するわけ?

小出 する可能性はありますよ。だってさっきの1行歌詞のコーナーとかは、すごい建設的じゃないですか。今後もだって曲を作るかもしれないわけじゃないですか。これはだから、ファンの方は喜んでいただけるコーナーかもしれないですし、これだけ期待させておいてやらないっていう手もありますし。

岡村 ふっふっふ(笑)わかりました。

小出 それはもうノリで。

岡村 謙虚にちょっとアレしてみる、色んなプレゼンを。

小出 ハイ、お願いいたします。

岡村 今日はなんかザクッと『未体験ゾーン』はこう、削られた気がしたけど。

小出 そうですね。あの~ザクッと削りました。

岡村 ザクッといったのね。分かりました。

小出 やりたいんだろうなって気持ちは伝わりましたけどね。

岡村 伝わった?

小出 伝わりました。それをすごく受け止めました。

岡村 はい。

小出 はい。

2人 (笑)

小出 (番組のお知らせ)。じゃあ最後うちの曲聴いていただいていいですかね。

岡村 はい。

小出 じゃあBase Ball Bearで『ファンファーレがきこえる』。ということで、この時間は『PREMIUM ONE』、小出祐介と。

岡村 岡村靖幸でした。


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*1:1979年米国ニューヨークで結成。ハスキーな声と圧倒的な歌唱力を持つ女性シンガー、ジョセリン・ブラウンをリード・ヴォーカルに79年、サルソウル・レーベルからシングル「アイム・コート・アップ」でデビュー。

*2:元10ccのケヴィン・ゴドレイとロル・クレームによるアヴァン・ポップ・デュオ、また80年代MTVを代表するミュージック・ビデオのディレクターである。

*3:1970年代後半から1980年代半ばにかけて活躍した、イギリスのロックバンド。ロックの枠組みの中に、レゲエの要素を加えるという斬新な音楽性は、ホワイト・レゲエとしばしば呼称される。

*4:The Police - Synchronicity Concert (1983) - YouTube

*5:1977年にバンド「ポリス」を結成し、ベーシスト兼ボーカルとして活躍した。ポリス活動休止後はソロ・アーティストに転じ、グラミー賞など数々を受賞。

*6:ザ・ナック。アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身のロック・バンド。

*7:1976年にイギリスのロンドンで結成されたポストパンク・バンド。

*8:イングランド出身のロック・バンド。インダストリアル・ロックの代表的グループとして知られる。ポストパンク勢として実験的な要素を取り入れて進化し続け、その音楽性は1990年代以降のオルタナティヴ・ロックをはじめ、様々なジャンルのアーティストに影響を与えた。

*9:1976年に結成されたイングランド・リーズ出身のポストパンク・バンド。硬質なギター、ファンク色の強いサウンド、政治的な歌詞が特徴。1984年に解散したが、その後1990年に再結成し、2枚のスタジオ・アルバムを録音した。2004年から2006年に再々結成している。

*10:イングランド・ウィルトシャー州スウィンドン出身のロック・バンド。バンド名はアンディ・パートリッジが「Ecstasy」をもじったもの。ビートルズザ・ビーチ・ボーイズといった英米問わず、オールディーズなポップスや、サイケデリック・ロックなどからの幅広い影響をもとに、その活動を通じてポップミュージックのオルタナティヴな可能性を追求した。独特のポップセンスとこだわりに満ちたアレンジを志向しながらポップス・ロックとしてのフォーマットを損なわない大胆なアプローチは、のちのブリットポップ・ムーヴメントにも大きな影響を与えた。

*11:XTCの創立からのメンバーで、ボーカル、ギターを主に担当。1982年までの5年間の大半をライブ・ツアーに費やしたが、ストレス性疾患により、ツアーの中止を余儀なくされる。以後、現在まで観客を前にしたライブは行われていないが、メディアでの収録などでは演奏を行っている。